貫入は日常使いでできるもの?

貫入とは

貫入は一見するとひび割れのように見える貫入は一見するとひび割れのように見える

貫入とは、上の画像のように、表面に亀裂が生じたものの事を言います。陶磁器はその表面がガラス質となるように釉薬(うわぐすり・ゆうやく)でコーティングを施します。貫入とは、製造時、また使用時に釉薬に亀裂が生じる現象です。ただ、貫入はヒビ割れではないので、食器そのものが割れた事とはなりません。

貫入を語る上で、陶器と磁器を区別しないといけませんのであいまいな方は復習をこちらでどうぞ。
磁器と陶器の違い

まず、最近作られる作品について、製造段階で貫入は発生しないよう管理が行われているので、西洋食器を購入する際に貫入を見る事は無いと思います。貫入が生じるのは、窯の温度の調整が難しかった時代の特徴のひとつです。

貫入はこうしてできる

陶磁器は、表面のガラス質と、素地の収縮の差によって生じるもので、亀裂が生じているのは表面のガラス質の部分だけなので、一般的に食器の損傷とはみなされないようです。

また、磁器よりも陶器が生じやすい特性があります。

製造段階でできる貫入について

貫入が生じる原因のひとつに、焼成段階での発生があります。陶磁器は焼成を900度~1400度という高温で行います。この時、15%弱陶磁器は縮みますが、釉薬の収縮する割合と素地が収縮する割合が異なることからガラス質が引き伸ばされてヒビが入ります。

使用時にできる貫入について

基本的に磁器は日常使いで貫入が入ることはほとんどありません。磁器は吸水性がほとんどないのがその大きな理由です。
良く、熱いものを入れると貫入が生じるなどと言われますが、釉薬は1000度以上の高温で焼成されていますので、日常使いの100度以下で釉薬が溶ける事はありません
磁器で使用しているうちにコーヒーや紅茶の染みができたという場合は、最初から貫入が生じていたものと考えられます。

一方陶器は吸水性があり、使用するうちに素地部分が縮小や膨張を繰り返しますので、その影響から表面のガラス質に亀裂が生じる事があります。
和食器では特に貫入を好む傾向があったり、きれいに貫入が生じるほど価値があがるものさえあります。

貫入は悪いものと思われる方も多いのですが、これは愛用した証でもありますので、大切にした想いの大きさとお考え頂いたり、歴史の長さであると思っていただくと良いかもしれません。
要は好みの問題、という程度で、決して悪い物ではありません。

ヒビの見分け方

貫入は表面にしかできません。ですので素地に亀裂はありません。ヒビ割れは素地も亀裂が生じているものですので、反対の面に同じ型が出ているかどうかで見分けると良いでしょう。
磁器の場合は光に透けるので分かりやすいですね。
ひび割れは水漏れや衝撃に弱い状態ですので、使用は控えられるほうが良いです。
一方で貫入は使用には問題がありませんので、安心してご愛用をお続けください。

以上の点から、貫入は日常使いでできるもの?という質問については
陶器の場合・・・Yes
磁器の場合・・・No
という事になります。

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