陶磁器の里 リモージュ

世界の名窯が集まるリモージュ地方

リモージュ地方といえば、世界的に有名な磁器の産地でもあります。アビランド、ベルナルドといった名窯をはじめ、今や大人の究極のコレクションとまで言われるリモージュボックスもこの地から世界に届けられています。

リモージュ市はフランスに存在する交通の要所でした。人が集まる場所には、教育、芸術、宗教、産業など多くが芽生えます。かの芸術家ルノワールもリモージュで生まれ、磁器の絵付けをしていたというから驚きです。

石鹸から始まったリモージュの歴史

リモージュの歴史は1765年に白い粘土質の土が見つかった事から始まります。ダルネという名の主婦が、麻を洗うために白い土が丁度良いものだとして、石鹸代わりに用いていました。後に鑑定を依頼したところ、これが磁器製造に重要なカオリンであることが判明したのです。

この土によって、それまで軟質磁器しか作れなかったセーブル窯が、ポンパドゥール夫人の助けもあり、硬質磁器の製造に着手できるようになったのは有名な話です。

さて、人の集まるリモージュは、産業の発展にも貪欲でした。リモージュで磁器製造が出来ないかと考えるのは自然な流れと言えるでしょう。1771年、マシエとフルネラによって最初の磁器が誕生し、その後支援者の名前にちなんで、アルトワ伯爵製陶所となりました。

リモージュ王立製陶所が誕生するが・・・

しかし、アルトワ伯爵製陶所はすぐに経営難となってしまうのですが、当時はまだ国家としても重要な一大産業の窯業でしたから、1784年にセーブル窯へ吸収されることとなりました。これがリモージュ王立製陶所と呼ばれる窯の誕生なのですが、それも長くは持たず、再び民間へ売却される事になります。

19世紀になると、磁器製造技術も広がりを見せ、クオリティの競争に突入していきます。リモージュ地方でも複数の工房が誕生し、徐々にリモージュ焼の品質、そして名声を上げてゆく事になります。中でも貢献をした窯がアビランドであり、これにより世界へ一気に広がっていきました。

伝統と技術の融合によりリモージュボックスが誕生

リモージュ地方には、エマイユと呼ばれる技法が伝わっていました。リモージュ地方は12世紀よりリモージュ琺瑯(ほうろう)が盛んでした。いわゆる金属加工の技法で、金属の表面にガラスを吹き付けを行うものです。この技術と磁器の組合せによってリモージュボックスが誕生しました。

ちなみにリモージュボックス、昔の用途は嗅ぎたばこ入れ、付けぼくろ入れだそうです。今ではコレクション目的が多いかと思われますが、リモージュボックスも貴族しか持てなかった事を考えれば、大人の究極のコレクションも頷けるキャッチコピーですね。

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